□3行で思い出せる「忘却の沼」□
主人公:仁司、虫がお友達
お相手:篤雄、いそうでいない大学生
虫の手足をもぎつつイチャつくBL
・ネタバレしまくりまくりすてぃ
・スタートダッシュも尻切れも悪い
・SEや動作の演出を文章化した以外はそのまま掲載
・《》内はゲーム収録部分
・*は演出
Q:ボツにしたシナリオの中に虫ある?
→あるよ
超あるよ
■仁司の自宅にて絵本を読むシーンより(ED:黒い黒い沼のそこルート)
<絵本を途中まで読み進めた篤雄のつぶやきから〜>
《
*篤雄、絵本をめくりながら
「……こんなだったっけ」
「うん」
「なんか今読むと怖えな」
「なら止めな。はい、貸して」
「待ってまだ続きが……」
「やぶれてんの?」
「……うん。小さい頃、やっちゃって」
「んー、先わかんなくなっちゃったな……」
「…………」
「……あ」
篤雄は突っ立ったままの俺を見上げ、何を思ったか、悪戯っ子の顔で笑った。
「思い出した」
「……何?」
「紙となんかペン貸して。続き書いてやるよ」
「…………」
篤雄に言われるまま、鞄の中からルーズリーフとシャーペンを出して手渡した。
にやにやと口元を緩ませながら、篤雄シャーペンのノックを押した。
*篤雄、ルーズリーフに文字を書く
『やあやあ ぬま ごきげんよう』
『アリ よくきてくれたね ひさしぶり』
『げんきかい ぬま』
『それが こまってるんだ』
『どうして?』
『じつは ぼくは じぶんがだれでなんだったか
おもいだせなくて』
『なんてこった たいへんだね
どうにかしてやろう』
『ほんとうかい? ありがとう』
『そのかわり ぬまにはひとつ おねがいがあるんだ』
『なんだい』
『じつは その』
『アリは 顔をあかくして いいました』
「……やっぱやめ」
「なんで?」
篤雄はシャーペンを投げ出して、あーとかぐわーとか唸りながらフローリングを転がった。
「無理無理、無理!俺文才ない」
「読むのは好きなのにな」
蟻の登場が綴られたルーズリーフを奪い取る。
いつもよりやたらと丁寧に、曲がることなく一直線に連なる文字は、『お』で続きを留めてしまっていた。
「この先は?」
「なし!
無理だった、俺には子供の心とか分かんなかったです。なし!」
「じゃあ俺が書いちゃお」
「え、やめろよ」
「なんで」
「恥ずいじゃん……」
「もう十分恥ずかしいじゃんか」
「うーおあー!くそー!」 》
篤雄は勢いに任せて、俺が握っているルーズリーフに飛びついてきた。
ぐらり、身体が揺れる。
「おわ!」「あ!」
*倒れる2人、近くにあった水の入ったバケツがひっくり返る
「……あーあ」
「……ごめん」
もう蟻の冒険どころではなくなった。
二人して、びしょ濡れだ。ふっとため息を吐く。
机の片隅に置いていたバケツは、昨夜たっぷりと水を注いでいたせいで、頭も腰も、
俺に覆いかぶさった篤雄の背中もフローリングも机の脚も、とにかくすぐにタオルが必要だ。
*仁司、バケツを戻しながら
「いや、置きっぱなしにしてたせいだし。水捨てときゃ良かった」
「なんでバケツあんの?」
「うん……」
言っても言いものかと、躊躇った。
これは昨日、片付け忘れたん水なんだよと。
夜が深まるまで何時間も、ピンセットでつまんだヤスデの足を引き抜いて、水の上に浮かべたんだよと。
それを只々見つめて、沈んでいくのを待っていた。
案外長く浮かんでいたから、ヤスデの身体を水の中、そのままにしたんだよと。
蠢く小さな身体を、そのまま浮かべていたんだよ、と。
「……ひとり、で、花火」
「は?えー、いや……寂しすぎません?」
「いや、嘘だよ」
「なんだよー、一瞬信じたし」
篤雄は濡れた前髪を鬱陶しそうに掻きあげた。
水滴がぱっと跳ねる。
3、4、あるいはもう少し。オレの頬に垂れた。
後ろに手をついて上半身を起こし、視線を巡らせた。
篤雄の青いYシャツは、濡れて色が濃くはなっていたが、透けてはない。
焦げ茶のカーゴパンツも、さして水を吸っていない。
「なんか……」
「あ?」
「理想と違ったなあ」
「はい?はい、はい?」
「好きな子に馬乗りされる時はもうちょっと興奮、しまくってる予定、で……」
慌てて口を塞ぐ。しかし、もはや遅い。
既に篤雄には伝わっていた。
オレの上から退こうとしていたのに、動きを止めてしまっている。
篤雄の顔がすぐ目の前にやってきて、疑うように、探るように、訝しげな眉をひくつかせた。
「いや……いや」
ぽたり、また水滴が垂れた。
「…………いや。それは、真面目、に」
篤雄の言葉尻が鈍い。
今ならばまだ、ごまかしが効くかもしれない。
一縷の望みに唇を震わせる。
でも、最適な躱し文句が思いつかなかった。
電信柱で打った背中が痛い。
もう痣は消えたのに、痛くて声が詰まった。
「おい……」
「うん」
「おい……冗談には、すんなよ」
「……うん」
「もう、一回」
「……うん。冗談、じゃなくて……本当に好きだよ」
「オレだって好きだよ!」
遠慮なく胸ぐらを掴まれた。
興奮に毛色ばんだ篤雄の声が、信じられなかった。
「言えよ最初から!マジかよ、今度は!今度こそ!」
「う、ん……」
「マジなんだな!なあ!」
「うん」
「マ……ジ、かよ。そうかよ……マジかよお」
「……うん」
「なんだよ……」
「うん……」
「なんだよお……そうかよ、マジで言ってのかよ。あ、いや……じゃあなんで冗談、つかキス……あー、あれもかよ。マジだったのか」
「……うん」
「冗談とか言いやがって」
「え?」
篤雄は少し落ち着きを取り戻したようで、深く息を吐いて項垂れ、唇をすぼめた。
「だから、帰りに」
「え、あれは」
「寸止めって言ったろ」
「あれはだって、ほんとに」
「冗談って!」
「う、うん、いやでも、篤雄も困ると思っ、て」
「困ったし」
「うん、ごめん……」
「違えよそうじゃ、えっと……ごめんとかは良くて……」
篤雄は水気を含んでまとわりついた袖口や襟を落ち着きなく引っ張りながら、呻いた。
「仁司って普段あんまふざけえたりしねえのに、急に冗談……ぽくないっつか好きとか言ってきたし、なんだよって思ったし」
「俺も、ちょっと……あの時急に思いついてしたから」
「だからそうじゃなくて。そっちは変でもなんか、こっちはお前のこと好きだし、でも冗談とか慌てて……あ、突き飛ばしてごめん……」
「そこ?」
「背中ぶつけてたじゃん。痛いだろあれは」
「でもあれ、俺がキスしちゃったせいで」
「だから!冗談じゃねえんだろ?マジで、マジで俺のこと好きなんだろ?仁司も……」
戸惑いを隠さず、ぎこちなく頷いた。
お互いの言ってる内容が噛み合わずに、まるでボタンを掛け損じているように気が急いた。
それから、掛け違えに気が付いて直すあの気恥ずかしさに似た、奇妙な感触だった。
篤雄のまっすぐな視線。前歯を見せて苛立つ口元。
耳の裏が痒くなる。
(痒い。痒い、かゆい……篤雄)
(その顔)
「……うん、好き」
「マジかよ」
「嘘じゃないって。そろそろ信じろよ」
軽く篤雄の胸を突いた。
どいてくれといったつもりが、通じなかった。
「……怒んなよお」
「え?」
「人の身体叩いてんじゃねえよ」
「いや、風邪引いちゃうから……」
それ以前に、この水の正体を知れば悲鳴を上げたくなるだろう。
確認していないので分からないが、足をもいだヤスデの死骸、フローリングか、机の脚か、
もしくは篤雄の背中か、ぶらんと曲がって張り付いているかもしれない。
その可能性を伝えるべきか。また躊躇した。
「あー……着替え貸して」
「うん」
「あとこれからどうすんの」
「え?着替えて……飯食ってなんか適当……にしたい、けど」
「俺もそうだけど」
篤雄は苛立った様子で首をもたげた。
「違くて」
額を汗のように水滴が這う。
どうして俺の上からどかないのだろうと思った。
「これから関係変えるんで良いんだよな」
「え?うん、良いけど良いの?」
篤雄は頬を緩ませて、へらへら、口角を釣り上げてへらへらと笑った。
ゆっくりと抱き寄せて、腕を撫でられた。篤雄の手つきはぎこちない。
返事の代わりに、篤雄の背中へ手を回す。
香水も何も使っていない身体から、女の子みたいな柔らかい香りがした。
「家族共用だ」
「何が」
「シャンプー。妹と同じ?」
「買うの面倒だし」
篤雄が僅かに身をすり寄せた。
毛先が頬に擦れてくすぐったい。
後ろ手でフローリングに水溜まりがあることに気付いても、そうだ着替えなきゃなあと思うだけだった。
(……あ)
・・
(いた)
左、親指の付け根の皮膚が小さな塊を潰している。
触れている感触は、粘着テープを水でふやかせたらこうだなと想像出来た。
(良かった)
掌を握りこんで隠す。
水溜まりがぴちゃ、と音を立てた。
篤雄に見つからないように、あとでそっとゴミ箱に捨てよう。
それを思って、少し笑った。
「なに?」
「良い香りだなって」
「もっと近くで嗅ぐとか、どう」
「……早くない?」
「我慢してた分だっつの」
篤雄の指が引っ掻くように、腰を擦る。
くすぐったさで笑顔が崩れた。それもおかしくて、また笑った。
「篤雄」
握った拳を、よじる。
「なに?」
「うん……」
かつては同じ。
さっきまではずっと、篤雄もみんなと同じ友達だった。
かつては一番愛していた。
あの潰してきた友達、みんなと同じ。
濡れてふやけた友達。掌に収まった、大事な抜け殻。
友達の身体は、脂がどろりと溶けるみたいに柔く千切れる。
(篤雄、お前も)
お前も。
お前も。
こんなふうに、その身体は、千切れるのかな。
(試したい)
大事な大事な大事な、友達。
でもどうしよう。
少し、迷う。
(やだな)
友達を千切らなくて良い方法を知らない。
頭を巡る。
知らない、教えてが巡る。
友達の手足はみんなみんな抜き落とした。
何十何百何千本、何回も何十回も幾回も重ねて引き剥がして逃げられないようにした。
きみの手足は、なくしたくない。
→ボツの理由:イチャとYASUDEがごっちゃでカオス
初期に書いたので篤雄が爽やかすぎて却下
このあと、ヤスデ成分を減らす努力をしました
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Q:篤雄の視点もちょいと知りたい
→マジろくな事考えてないから注意してください
■大学あと、2人で食事するシーンより
<仁司がピクルスに顔をしかめ、ハンバーガーを差し出す>
:ゲーム内の仁司視点
《
よそ見をしながらハンバーガーを一口かじって、口の中の違和感に苦笑する。
「…………」
疑いつつも、もう一度ゆっくりと噛み締める。
鼻を抜けるすっぱい味が気持ち悪い。
「…………」
(ピクルス……)
「……どした?」
「うん……」
「ん?」
「…………」
「あ……あー」
篤雄は首を傾げて、それからすぐに笑った。
「出せばいいじゃん」
「ん……」
ケチャップまみれの包装紙に口を寄せる。
篤雄はその間、じっとこちらを見ていた。不思議そうな眼差しだった。
楽しいものでもないのに、なにが篤雄の興味を引くのだろう。
包装紙の端をくしゃくしゃに丸めて、ポテトに手を伸ばす。
「嫌いなんだ」
「変な味するじゃん、すっぱいし甘いし……」
「おいしくない?」
「まっずい」
「言ってくれれば俺もらったのに」
「食いかけならあるよ」
邪魔な残りのハンバーガーを咥えて、ほんの冗談のつもりで、ピクルスをくるんだ包装紙を渡した。
うざがって笑ってくれると思っていた。
ほんの冗談の、つもりだった。
「いや……」
篤雄の顔が、引きつる。
「要らねえし」
「遠慮しないでどーぞ」
冗談は最後まで続けないといけない。
丸めた包装紙を、篤雄のトレイに転がした。
「…………」
なにも返ってこない。
気持ち悪いも、うざいも、じゃあいただきますなんて冗談も、返ってはこなかった。
今度は自分の顔が引き攣るのが、分かった。
「……食いかけっつか、食ったあとじゃん」
「……うん」
「残飯処理じゃん」
篤雄は、へらりと口の端を釣り上げた。
ぎこちない笑顔は見えないふりをして、頷き、包装紙を自分のトレイに戻した。
妙な間は開いたが、沈黙には至らずぽつりぽつり、話を続ける。
明日は1日中雨が降るのだと聞いて、頷く。
笑顔っで頷く。
うん、と頷く。
さっきのはナシにしてと、言えない。
》
うじうじ仁司くん
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一方↓
:本編未収録、篤雄視点
「…………」
ハンバーガーを一口かじって、仁司の表情が曇った。
どうしたのかと聞いても、口元をねじ曲げるだけ。
けれど視線の先を追えばすぐに理由が分かった。
「出せばいいじゃん」
にやりと微笑む。
(可愛いやつ)
不安やビビリ、嫌なもの。
そういう時は表情に出てるのに、自分じゃ分かってないんだろうか。
可愛いやつだな。
「ん……」
ケチャップまみれの包装紙に口を寄せる姿を、じっと見つめる。
仁司は包装紙の端をくしゃくしゃに丸めて、口直しにポテトへ手を伸ばす。
油でぎとぎとになった唇。
その唇が、あんまりにも柔らかそうで、舐めまわしたくなった。
「嫌いなんだ」
「変な味するじゃん、すっぱいし甘いし……」
「おいしくない?」
「まっずい」
「言ってくれれば俺もらったのに」
(口移しでなら、受け取る)
仁司の顔を見つめながらもやもやと、下世話な考えが胸に満ちていく。
やべえな。
たまんねえな。
そう思っていた矢先だった。
「食いかけならあるよ」
仁司は笑って、ピクルスをくるんだ包装紙を差し出した。
ほんの冗談だと、表情が言っている。
「いや……」
顔が、引きつった。
邪な考えを見透かされないように視線をそらす。
「要らねえし」
「遠慮しないでどーぞ」
丸まった包装紙がトレイの上を転がった。
なんて返せばいいだろう。
気持ち悪い、うざい。じゃあ遠慮無くいただきます。
どれも違うような気がした。
「……食いかけっつか、食ったあとじゃん」
「……うん」
「残飯処理じゃん」
へらりと口の端を釣り上げる。
そのせいで今度は仁司の顔が引き攣った。
硬い笑顔で頷いた仁司は、ぽつりぽつり話を続ける。
言葉の端々に困惑が滲んでいて居た堪れなくなった。
でも、バレるよりはマシだと思い直す。
(やっぱり、やべえな)
明日は1日中雨が降るのだと、窓の外を覗く仁司はなんて愛らしいんだろう。
さっきからずっと気にしてるのは俺のこと。
“冗談のつもりが引かれた”
“ほんの冗談なのに、流せよ”
“後味悪いな”
“冗談のつもりが引かれた”
“篤雄に引かれた”
“どうしよう”
仁司の心のうちにはどんな動揺が潜んでいるのだろうか。
卑しい気持ちが膨らんでいく。
やべえな。
たまんねえな。
ピクルスは、もったいなかった。
舌引っ張りだして、無理やり食わしたらどうなってたかな。
嫌いなもの食う仁司の、困った顔。
たまんねえな、想像するだけで喉が鳴る。
ああでもさすがに人の目がある。
舐めまわしたい。
頬、目玉、手、腹、脚。
出来るなら咥えたい。
耳、舌、指、アレ。しゃぶりたい。
思考が渦巻くのが楽しい、たまらねえな。
舐めたい舐めたい舐めたい。
ついでにしゃぶってアレしてえ。
(あー、今すぐ店ん中空っぽになんねえかな)
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■その他小ネタQA
Q:細かいキャラ設定とかある?
→二人とも大学では日本文学専攻してます。
仁司は基本五月蝿いのは嫌いです。
でも可愛い子がきゃぴきゃぴしてるのは好きです。
あと篤雄は一浪です。
チェックのスニーカーを3足ローテーションで履いてます。
ちょっと変な小物が好きです。
Q:仁司の好きな虫は?
→蜘蛛、ムカデ、ヤスデ、ゲジなど、足がいっぱいあるのが好きです。
足が多ければ多いほど良いというわけではなく、そこらへんですぐ出会えるかが重要です。
なので蜘蛛は不動のNO1です。
ヤスデとムカデの違いは一瞬で見分けられます。
Q:BADでお風呂に沈めてたけど篤雄死なないの?
→生きてます。
でも愛する人のせいで人間不信です。
Q:他にもボツにしたシナリオある?
→ドコとかアソコとかは申しませんが
・虫ごとぶっ刺す
・毛の生え際を舐める
的なシナリオも書いてました。
2人の性癖が湾曲しすぎてたのでお蔵入りです。
内容はお話を思いついて最初に構成を立てた時が一番ひどかったです。
最低限の節度をもって作ろうと1回全部なくして、今の話に作り直しました。
でも本当は虫とエグいのでいっぱいにさせたかったです。
もっとやりたかった。
もっと……
も……(ダイイングメッセージ)
Q:タイトルの意味って?
→篤雄にどこにも行ってほしくないから、手足をもいで沈めます。
沼の底に沈めれば、ずっと一緒にいられる気がしました。
篤雄と一緒にいたいから、何年も連れ添ってきたお友達を忘れて沈めます。
蜘蛛さん、ムカデさん、ヤスデさん、ゲジさん。
あんなに大事にしてましたが、もうさよならです。
Q:篤雄って……
→隠れ不埒マンでした。
仁司の熱い視線を受けているうちに、自分もやられたかんじです。
他の人に見せないところを見せてほしいと考えています。
両想いと感づいてるのに待機してた結果、風呂に沈められるかバケツの水ひっかぶるかの二択になりました。
水難の相があります。
女の子(千賀ちゃん)にアピールされてましたが、もちろん男として嬉しいです。
でも仁司と遊んでる方がもっと楽しいですし、舐め回したいのは仁司です。
可愛くて仕方がありません。
なので仁司が望めばアレされる方も受け入れます。
以上おまけでした。
長いお話を読んでいただき、ありがとうございました!